公開日:2024.08.17 
更新日:2024.08.18

不妊原因の約半数を占める精子の問題、黒田IMRの精液検査で分かる「隠れ異常精子」について詳しく解説

監修者 | 黒田 優佳子
男性不妊治療の専門である黒田IMRの院長

精子学の研究者であり医師である視点から、
不妊治療における誤解やリスクを解説

不妊原因の約半数を占める精子の問題、黒田IMRの精液検査で分かる「隠れ異常精子」について詳しく解説

意外と多い「男性不妊」

不妊原因の約半数を占める「精子の問題」

一般的に「不妊」となると、その原因は女性側にあり、女性不妊が多いと思われがちですが、不妊の約半数は男性側に原因がある「男性不妊」です。

しかも男性不妊の約90%は、精巣内で精子をうまく造ることができない造精機能障害(ぞうせいきのうしょうがい)、具体的に言えば、精子に問題がある「精子異常」になります。

 

 

 

「精子の問題をいかに解決できるか」が、不妊治療の鍵

結論から言えば、精子に何かしらの異常が認められた場合(精子異常)は不妊治療が難航する傾向にあります。なぜならば、大半の精子異常の背景には遺伝子の問題が関与するからです。

正直なところ、「精子の問題を、なるべく早い時点で正確に把握して、その方の精子異常のタイプに合った、適正な治療法を選択できるか」が不妊治療の鍵になります。ですから、なるべく早い時点で精子の検査(精液検査)を受けることをお勧めします。詳細については初診手続きと精液検査の流れをご確認ください。

 

 

一般精液検査では確認できない「隠れ異常精子」が、治療を難航させる! 出生児へのリスクにも繋がる!

不妊治療の現場では「運動精子=良好精子」という認識が定着していますので、精子異常となりますと、まずは「動きが悪い」といった点を思い浮かべることでしょう。と同時に、「精子の数が少ない」とか、「精子の形が悪い」、「精液の量が少ない」といった点でしょうか。

実際、多くの不妊治療施設で行われている一般精液検査では、普通の顕微鏡(位相差顕微鏡)で、主に精液中の精子の「運動率」や「精子数」、「形態」、「精液量」等を観察して、世界保健機構WHOの診断基準に達していなければ、即 男性不妊と診断しています。しかし、治療を難航させる厄介者の隠れ精子異常は、一般精液検査で用いる位相差顕微鏡では検知することができません。ここに一般精液検査の弱点があります。

「どういうことなのか?」と言いますと、一般的に良好精子の指標になっている元気に泳いでいる精子(運動精子)の中に、位相差顕微鏡で確認できない「精子の中に隠れ潜んでいる異常」をもった精子が含まれているということです。これを私たち精子研究チームは、『隠れ異常精子』と言っていますが、分子生物学的な高精度な手法をもって検査しないと明らかにならない精子異常です。もう少し解りやすく具体的に言えば、精子頭部の中に空胞(穴)が開いていたり、DNA(遺伝情報)や細胞膜(精子を包んでいる膜)、先体(卵子に侵入、受精する際に重要な機能を果たすところ)が傷ついていたりする異常をもった運動精子がいるということです。

つまり「運動精子だから隠れ異常のない良好精子であるとは言えない」ということ、「泳いでいるという、見た目だけの指標で選んだ運動精子を用いた不妊治療は安全であるとは言い切れない」ということです。

隠れ精子異常が起きてくる背景には、『新生突然変異』という、親から受け継いだ遺伝子の突然変異ではなく、個体において突発的に新しく発生してくる突然変異、つまり遺伝子異常が関与しています。解りやすくいいますと、精子が形成される過程で起きてくるDNAのコピーミスが隠れ異常に繋がると考えていただきたいと思います。男性であればどなたでも、運悪く、新生突然変異による隠れ精子異常が発生するリスクがあります。

生殖補助医療は遺伝子異常を克服できる技術ではないため、この隠れ精子異常が存在する男性不妊の治療は難航します。また出生児へのリスクにも繋がります。しかし、この点が現状の治療現場では直視されないまま多くの医療機関では「運動精子=良好精子」という認識で治療が行われています。

不妊男性の精子には「隠れ異常」の発症率が高い

最も注意すべき点は、不妊男性の精子には隠れ異常が認められる傾向が強いこと、また前述しましたが、一般精液検査(位相差顕微鏡)では隠れ精子異常を検知できませんので見逃されたまま間違った方向に治療が繰り返されてしまい、非効率的な妊活になるリスクがあるという点です。とくに顕微授精は生殖補助医療の主流になっていますが、顕微授精は「あくまでも精子の数が少ない」という、精子の量的な不足を補う技術であり、隠れ精子異常の背景にある「新生突然変異」という遺伝子異常を克服できる技術ではないことに気づいてください。

本来ならば隠れ異常のない運動精子が卵子に注入されることが大前提になりますが、位相差顕微鏡で隠れ異常を検知できず、見逃されたまま、隠れ異常をもった精子を顕微授精に用いても、残念ながら結果には繋がらないというのが真実です。

正直なところ、顕微授精を何回も繰り返されても妊娠に繋がらない(顕微授精反復不成功)の方を対象に、私たち精子研究チームが開発した、隠れ精子異常の有無を検知できる分子生物学的な手法で調べてみますと、その8割には隠れ異常が発覚します。

この結果は、隠れ精子異常が見逃されたまま治療が反復されている事実と、顕微授精が隠れ精子異常の背景にある遺伝子異常を克服することはできない技術である事実を裏付けています。

さらに最も怖い点は、あまり表面化していませんが、顕微授精には本来であれば受精できない、もしくは、受精すると危険な精子でも人工的に授精させてしまうリスクがある点です。例えば、精子DNA等が傷ついた隠れ精子異常が見逃されたまま顕微授精に用いられ、人工的に授精が可能になり姙娠、出産に至った場合に、精子異常が遺伝するのみならず、出生児に何かしらの異常が発現するリスクがあります。そこで次に、黒田IMRの特殊技術による隠れ精子異常を正確に見極められる検査法をご紹介します。

精子側から安全かつ有効な不妊治療を実施するためには隠れ異常精子を「正確に見極められる技術」と隠れ異常精子を「事前に排除する技術」が必須

健康な命を誕生させる不妊治療(不妊治療・安全戦略)においては、事前に隠れ異常精子の存在の有無を確認しておくこと、隠れ異常が認められた場合には隠れ異常精子を排除することが必要不可欠になります。言い換えれば、

1.治療開始前に、隠れ異常のない精子が「精液に何%含まれているかを正確に調べられか」

2.治療において、隠れ異常精子を「いかに精液中から排除できるか」

に意義があり、『精子の隠れ異常の問題をいかに解決できるかが、不妊治療の鍵になる』ということです。

私、黒田IMR院長は、臨床精子学(ヒト精子に関する研究をする学問)を専攻して約40年弱になります。その背景には、院長を含む精子研究チーム(慶應義塾大学医学部産婦人科および泌尿器科・関連病院研究室および東京大学)が、生まれてくる子供の健常性向上と治療成果に繋げる(不妊治療の安全性と有効性を向上させる)ための「精子品質管理と受精法の技術開発」を進めてきた長い歴史があります。

結果として、

1.安心して不妊治療に用いることができる安全な精子を精液から選別する、言い換えれば、隠れ異常精子を取り除く『高度な精子選別技術』を開発

2.隠れ精子異常を正確に検知できる分子生物学的な手法による『高精度な精子検査法』を開発し、

黒田IMRでは、安全性かつ有効性の高い男性不妊治療を実現、ご提供しています。

厄介な「隠れ異常」を正確に検知できる 黒田IMRの高精度な精子検査とは?その意義は?

終わりのない不妊治療に陥らないためにも、なるべく治療開始前に『隠れ精子異常』を検知できる『高精度な精子検査』を受けていただき、

1.まず「精子異常が存在するのか、しないのか」

3.さらには「精子異常が重篤なのか、軽症なのか」等の

​隠れ精子異常の①有無、②種類、③程度に関する科学的根拠に基づいた詳細情報を取得していただきたいと思います。

その結果、

1.精子側から、治療に伴うリスクや妊孕性(妊娠させられる力)をある程度予測して最適な治療プランを組み立てる(治療の適正化を図る)ことが可能になりますので、

2.治療の効率化を図ることができ、​

3.最終的に治療の回り道をしないで成果の向上に繋げる(時間・気力・体力・費用を節約する)ことができます。​

 

ここに最初に精子精密検査を実施する意義があります。是非、奥様の精神的・肉体的・時間的な負担が大きい不妊治療を「適正に効率よく」進めてください。詳細については、隠れ異常を検知できる高精度な精子検査をご確認ください。

黒田IMRの精液検査をお勧めできる方

顕微授精を3回以上行っても結果に繋がらないご夫婦は、黒田IMRの院長カウンセリングと精液検査を是非受けてください。黒田IMRでは「男性不妊、即 顕微授精」という固定概念から脱却した、「貴方の精子のタイプに最適かつ安全な男性不妊治療」を具体化させてから、高度な精子側の関連技術を駆使した「貴方だけの個別化生殖補助医療技術」を提供します。

1.すでに生殖補助医療を繰り返しているが、全く成果に繋がらない夫婦

  1. ① 顕微授精反復不成功(3回以上)のケース
  2. ② 初期胚移植・胚盤胞移植まで進むが、全く着床しないケース

③ 胚分割の停止、胚盤胞まで進まない等で、全く胚移植に至らないケース
④ 顕微授精のリスク(先天異常児との因果関係)を心配されているケース
⑤ このまま終わりのない辛い不妊治療を 継続しても無意味ではないのか

同じ治療を反復しても無意味ではないのか、不成功の原因に関する明確な説明がなく、通院が無意味ではないのか等不安感・不信感を抱いている夫婦

2.妻が40歳代で、時間的な効率化を図りたい夫婦

3.体外受精や顕微授精等の生殖補助医療の実施を今後検討している夫婦


4.これまでに精液検査・精子検査をした経験があり、再検査を検討されている男性
① 「精子の状態が悪い」等と言われて不安を感じている方
② 結果に納得がいかない方
③ もう一度検査をやり直したい方等

黒田IMRでしかできない特殊技術が、「男性不妊」や「高齢化女性」などの顕微授精反復不成功に陥りやすいご夫婦に対しても、緻密な精子分析のもと高精度な個別条件と高度な技術の提供を可能にして、成功への道に近づけることができます。

治療の「適正化と効率化」に徹した『黒田IMRの不妊治療・安全戦略』が皆様の一助になれますよう日々精進しております。

黒田IMRは、完全予約制、完全個別性の導線になっており、入室から退出に至るまで他の患者様ご夫婦に会うことはありません。周囲の目を気にすることなく、落ち着いたラグジュアリーの空間で、初診時には約1時間という十分な時間をかけて院長とカウンセリング(相談事項を含む)を受けることができ、その後にゆっくり採精いただけます(採精時間として約1時間確保できます)。詳細については、初診手続きと精液検査の流れをご確認ください。

このコラムを読んでいるあなたにおすすめの記事
監修者│黒田 優佳子

Author information

監修者│黒田 優佳子

黒田インターナショナル メディカル リプロダクション院長。不妊治療で生まれてくる子ども達の健常性向上を目指して「高品質な精子の精製法および精製精子の機能評価法の標準化」と共に「次世代の不妊治療法」を提唱し、日々の診療と講演活動に力を注いでいる。

出版
不妊治療の真実 世界が認める最新臨床精子学
誤解だらけの不妊治療

主な監修コラム
不妊治療について
日経woman

page