「子どもが欲しい!」という強い思いをもつ妊活夫婦は、不妊治療施設のホームページに掲載されている「妊娠率」という指標に頼らざるを得ない気持ちになり、どうしても高い妊娠率を誇る施設を受診する傾向になりがちです。この気持ちは当然のことですが、この記事では、施設が掲げる「平均妊娠率」について考えてみましょう。結論から申し上げれば、「自分たち夫婦が妊娠できる確率」と「施設が掲げている平均値として出している妊娠率」は、不妊である原因や不妊の状態によってズレてきてしまうものなのです。
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大事なのは「自分たち夫婦」が妊娠できる可能性=個別妊娠率!
不妊になる原因ですが、夫婦毎に大きく異なり、その背景も多種様々です。例えば、治療歴は長いのか、これまでどのような治療を受けてきたのか、どうして治療成果に繋がらなかったのか、奥様の年齢は高いのか等々、夫婦が抱える背景も多様で、しかも男女とも多岐にわたるのです。つまり、不妊症は夫婦それぞれが持つ複数の不妊原因が複雑に絡み合った結果として起きてきますので、一律同じ治療を行っても、妊娠率は夫婦毎に大きく異なります。
言い換えれば、自分たち夫婦の不妊原因が「軽症なのか?」「重症なのか?」により妊娠率は0%から100%にまで変化するということです。もっと解りやすく言えば、夫婦の不妊の状態により、不妊治療の「方法」も「リスク」も「妊娠率」も一律同じにはならないということです。
ですから、施設が掲げる平均妊娠率は夫婦にとっては無関係であり、自分たち夫婦が妊娠できる可能性=「個別妊娠率」が何%なのか?ということを正確に見極めることが重要ということです。施設が掲げる「平均妊娠率」に惑わされないで!自分たちに「最適な」治療法を「安全に」提供してもらえること、これが「成果に」繋がる可能性が高くなることなのです。
不妊の状態が「軽症」な方を治療する=施設の平均妊娠率もアップ!
どんなに妻側の治療がうまくいったとしても、夫側の精子の状態が悪いままでは妊娠率は上がりません。逆のケースも同様で、精子側にいくら問題がなくても、妻の治療がうまくいかなければ妊娠には繋がりません。解りやすく具体的に申し上げるのならば、自然に妊娠できるご夫婦、もしくは治療が容易な不妊原因を有するご夫婦に顕微授精を施すことにより、高い受精率と妊娠率を実現できますが、治療が困難な不妊原因を有するご夫婦は、顕微授精を繰り返しても妊娠できる可能性は低いままで、成果に繋がらず治療が難航するということです。
ですから、施設が掲げる平均妊娠率に惑わされないで!自分たちが妊娠できる可能性「個別妊娠率」を正確に把握した上で、自身たちの不妊病態に「最適な治療」を「安全に提供」してもらう!ことが、上手な妊活になります。