- 男性不妊治療の専門クリニック│黒田インターナショナルメディカルリプロダクション
- コラム
- 運動や筋トレは男性の妊活に悪影響?
おすすめの運動などを合わせて解説
更新日:2023.09.19
運動や筋トレは男性の妊活に悪影響?
おすすめの運動などを合わせて解説
- 目次 -
妊活中、男性は過度な運動や筋トレは控えたほうが良い?
日々の診療において「過度な運動をすると活性酸素が増えて精子に悪いと聞きましたが、本当ですか?」と、よく聞かれます。
過度な運動をすると、活性酸素が増え過ぎた状態(酸化ストレス)になり、細胞のDNAや細胞膜、動脈の内膜等を傷つけることがあり、その結果、老化やがん、心臓の病気に繋がる可能性が生じることは事実です。ですから、自身の体力の限界を超えた過度な運動や筋トレをすることはお勧めできません。しかし、私たちの体の細胞には、活性酸素で傷ついた細胞を修復したり、排除してくれる仕組みがありますので、実は、少しくらいの激しい運動負荷による活性酸素が増えた状態(酸化ストレス)に神経質になる必要はありません。
つまり、日常生活を送る中で発生する活性酸素や酸化ストレスの範囲では、精子の異常に直結する心配をする必要はないということです。しかし、実際の不妊治療の現場で問題になる精子異常は、その背景には遺伝子の問題(先天異常)が関与しているケースが殆どですので、この場合は対象外になります。
運動不足は精子に良くない?適度な運動は必要?
新陳代謝を上げることは健康的な精子を造るためにも重要です。運動不足により、新陳代謝は低下しますので、適度な運動を取り入れましょう。
とは言え、日々の忙しい中、適度な運動療法を継続していくために『時間を捻出』すること、また仕事で疲れ果てた体を帰宅後に運動に向かわせる『気力を継続』することも大変です。
ですから、「無理をしないで、自身の体力に合ったペースで運動を取り入れる習慣」を身につけて、細く長く続けられることが大事です。例えば、休日に夫婦で仲良く軽く「ウォーキング」したり、「ランニング」するとか、また余裕がある時には風呂あがりに軽く「ストレッチ」するとか、自身の体力に合わせて楽しく運動を取り入れることが長続きするポイントかと思います。
まとめ
妊活は夫婦の共同作業です。どちらか一方が頑張っても効果が得られません。二人の気持ちを一緒にして前向きに協力できる姿勢がとても重要になります。適度な運動を通して夫婦仲良く妊活できることを願っています。
Author information
監修者│黒田 優佳子
黒田インターナショナル メディカル リプロダクション院長。不妊治療で生まれてくる子ども達の健常性向上を目指して「高品質な精子の精製法および精製精子の機能評価法の標準化」と共に「次世代の不妊治療法」を提唱し、日々の診療と講演活動に力を注いでいる。