- 男性不妊治療の専門クリニック│黒田インターナショナルメディカルリプロダクション
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- カフェインやアルコールは精子に悪影響があるの?
男性の妊活について解説
更新日:2023.09.15
カフェインやアルコールは精子に悪影響があるの?
男性の妊活について解説
- 目次 -
カフェイン摂取による精子への影響
カフェイン摂取が精子に「どのような影響を与えるのでしょうか?」色々な意見がありますが、基本的に適量のカフェイン摂取(1日当たりコーヒー1~2杯程度)であれば、精子への影響を心配する必要はありません。
「コーヒーには がんを抑える効果がある」という科学的データもあり、健康のためにも取り入れた方が良いという側面もありますが、当然のことですが常識的な範囲でのコーヒーの摂取を心がけましょう。
一方で、カフェインは、神経を鎮静させる作用を持つ「アデノシン」という物質の化学構造と類似しているため、体内に入るとアデノシン受容体(アデノシンが結合する部位)に結合し、アデノシンの働き(神経鎮静作用)を阻害して神経を興奮させる作用もあります。ですから、カフェインを摂取しすぎると中枢神経系を過剰に刺激し、さまざまな健康被害を引き起こします。また長期的な作用として高血圧を招く可能性も指摘されていますので、1日当たりコーヒー1~2杯程度のカフェインを目安にして摂取しましょう。
特に、市販されているエナジードリンクや眠気覚まし用の清涼飲料水のカフェインには注意が必要です。こういった飲料の成分表示は多くの場合100 ml当たりの濃度で書かれていますが、缶や瓶1本当たりにするとコーヒー約2杯分に相当するカフェインを含むものもありますので、1日に何本も飲まないようにしてください。
アルコール摂取による精子への影響
皆さんがよく耳にする二日酔いは、アルコールの分解が間に合わず、アセトアルデヒドの血中濃度が上昇することが原因で起こります。アセトアルデヒドは細胞傷害性が高いので、精巣にも悪影響がある可能性は否定できません。
しかし、いくらお酒を飲んでも酔わない方がいらっしゃる一方で、採血する際のアルコール綿の消毒で皮膚が発赤する方もいらっしゃるように、アルコール分解能力には大きな個人差があります。そのため、二日酔いなどがどの程度精子に悪い影響を与えるかは一概に言えませんが、特にアルコール分解能が低い方でない限り、1日1~2杯のビールを摂取しても精子の異常に直結する心配はありません。
もちろん過度の飲酒や長期間にわたる飲酒は、肝硬変や痴呆、がん等との関連性が考えられます。精子への影響のみならず、健康を維持するためにも、カフェインと同様に常識的な範囲でのアルコールの摂取をおすすめします。
まとめ
通常、普段の食生活で「偏食を避けて多くの品目を食す」というバランスのよい食事習慣を心がけていれば、適量のカフェイン(1日当たりコーヒー1~2杯程度)やアルコール(1日当たりビール1~2杯程度)を摂取することが精子の異常に直結する心配はありません。忙しい日々の中、妊活に向けて「何もかも駄目です!」と言われては、逆にストレスが溜まってしまいます。常識的な範囲内でご判断ください。
なお、実際の不妊治療の現場で問題になる精子異常がある場合は、その背景に遺伝子の問題(先天異常)が関与しているケースが殆どのですので、このような遺伝子異常が関わるケースは対象外になります。
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監修者│黒田 優佳子
黒田インターナショナル メディカル リプロダクション院長。不妊治療で生まれてくる子ども達の健常性向上を目指して「高品質な精子の精製法および精製精子の機能評価法の標準化」と共に「次世代の不妊治療法」を提唱し、日々の診療と講演活動に力を注いでいる。