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男性不妊だったら?という不安 男性はいつから受診すべきか?
世間一般では なかなか赤ちゃんが授からず「不妊」となりますと「女性側に何かしらの問題がある」と思われがちです。しかし実際には、不妊になる原因の約半数は『精子に何かしらの問題がある男性不妊』です。精子の異常のパターン(種類)と重篤性(程度)には個人差がありますが、この記事を通して知って頂きたい重要な点は、
1.生殖補助医療による治療対象になる不妊男性の大半の方には『隠れ精子異常』という、一般精液検査(位相差顕微鏡)では検知されずに見逃されてしまう、精子の中に隠れ潜んだ異常が認められる点
2.この隠れ精子異常の有無により、妊娠率やリスクが大きく変わる点です。
ですから、なるべく早い時点で『精子の精密検査』を試みることが上手な妊活法になります。遅くとも妊活を開始して半年を経過しても成果が得られない場合には、医療機関を受診された方が効率的です。
男性は精子検査から始めましょう!
現状の男性不妊の診断は、一般精液検査(世界保健機構 WHO基準値)の結果に基づいています。その診断基準は、普通の顕微鏡(位相差顕微鏡)で精液を観察し、見た目だけで「精子形態」「精子数」「運動率」等を算出するというもので、決して診断精度は高くありません。具体的にいえば、「精子の形が悪い」「精子の数が少ない」「精子の動きが悪い」など、一つでもWHO基準値を満たさないと「精子異常」と判定されて「男性不妊」と診断されます。言い換えれば、「動きの良い元気な精子が多ければ問題なし」「運動精子=良好精子」という認識が定着しているということです。
しかし精子異常の最も怖い点は、「精子の形や動きが悪い」とか「精子が少ない」というような、見た目で簡単に判定することができない(見た目ではわからない)異常をもった精子がたくさん存在するという点です。言い換えれば、見た目が正常な運動良好な精子の中にも、精子の中に多様な異常(精子内部の構造や機能の異常)をもっている隠れ異常精子が含まれているということです。
1.上述していますが、とくに、不妊男性の精子には隠れ異常が認められる傾向が強く、また隠れ精子異常は 一般精液検査で用いる位相差顕微鏡では検知できませんので、隠れ異常が見逃されたまま間違った治療に進められる危険性があります。隠れ精子異常は、分子生物学的な手法で特別な顕微鏡を用いて観察することにより初めて明らかになる異常です(詳細は後述)。
2.また大半の隠れ精子異常の背景には『新生突然変異』という遺伝子異常(DNAのコピーミス)が関与しています。言い換えれば、先天的に精子形成に関わる遺伝子に異常があることが原因で隠れ精子異常が起きてくるということです。遺伝子異常を克服できる技術(治療法)はありませんので、隠れ精子異常による男性不妊の治療は難航します。また治療法によっては、生まれてくる子供に何かしらの異常を発症させるリスクがあります。
ここに男性不妊治療の難しさがあります。ですから、妊活を開始するにあたり最も重要な点は、なるべく早い時点で(できれば治療を開始する前に)『隠れ精子異常の有無』を正確に見極めることができる『精子精密検査』を受けておくことが必要不可欠です。その結果から、適正かつ安全な男性不妊治療の方向性が見えてきますので最も効率的です。
精密検査の結果、「隠れ精子異常がある」ことが明らかになった際には、「なぜ?自身の精子が・・・」という辛い思いになりますが、その気持ちを乗り越えて「早い時点で判明してよかった!」「自身の精子のタイプに合った治療はあるのかな?」「どのような医療介入が安全なのかな?」と前向に捉えて一歩を踏み出していただきたいです。
精子の老化に関する調査
近年、不妊の約半数を男性側に原因がある「男性不妊」が占め、しかも男性不妊の大半が精子に何かしらの問題がある「精子異常」であるという事実も知られるようになり、『精子の老化』が着目されてきました。しかし正直なところ、世間一般には『精子』に関する真偽のはっきりとしない不確実な情報が溢れています。
一般的に言われているように、卵子の劣化は加齢に直結しますので、加齢が卵子妊孕性を低下させてしまいます。つまり、女性の年齢が上がると卵子の数は減り、質も下がるので妊娠しづらくなるということです。この卵子老化の概念と同じように、精子に関しても加齢に伴って老化が進み、質が下がり、数も減少すると語られている傾向にあります。しかし上述しましたが、精子の質の良し悪しを決めている要因は、生まれながら(先天性)の遺伝子の問題です。加齢が精子妊孕性の低下に直結するわけではありません。
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加齢は精子妊孕性の低下に直結しない!
精子は元になる細胞(始原生殖細胞)から その都度 造られますので、産生量は加齢により多少減少しますが、上述したように、精子異常の背景には遺伝子異常(先天異常)が関与している場合が多いため、卵子と違って、精子の場合は加齢の影響は低いというのが真実です。つまり、加齢が精子妊孕性の低下に直結しません。
【重要ポイント】詳しく解説しますと、精子は精巣で「粗雑に量産」されますが、その過程には「多くの」遺伝子が「複雑に」関与しています。その「煩雑な」精子形成環境において「一定の確率」で精子形成に関わる遺伝子に突発的に変異(遺伝子の突然変異)が起きてきます。この遺伝子異常を『新生突然変異』と言いますが、その影響は精子の中に隠れた異常(隠れ精子異常)という形で発現してきます。新生突然変異による遺伝子の突然変異は、精子1匹単位で異常発現する箇所が異なり、複雑化します。このことが、隠れ異常の種類と程度を多様化し、男性不妊治療を難航させます。
まとめ
不妊治療において、いくら妻の治療がうまくいっても、夫の精子に問題があれば妊娠率は上がりません。隠れ精子異常を見逃したまま間違った治療に進まないためにも、なるべく早い時点で精子精密検査を受けていただくことをお勧めします。
黒田IMRでは、隠れ精子異常を検出できる分子生物学的な高度な技術による精子精密検査を実施し、科学的根拠に基づいた精子の詳細情報をお届けし、効率的な『男性妊活』を指導しています。ご心配の方は一度ご相談にいらしてください。
男性妊活のスタート時期と精子検査の基準に関するFAQ
- 妊活を始めてから、男性はどのタイミングで医療機関を受診すべきですか?
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理想的には、妊活を考えたら直ぐに(妻が不妊検査を開始する前)専門性の高い医療機関を受診し、高精度な精子検査を受けてください。「1年くらい自分たちで試してみてから・・・」と考えるご夫婦も多いかと思いますが、 遅くとも妊活を意識して排卵期に性交し、半年が経過しても妊娠しない場合には医療機関への相談を視野に入れてください。なぜならば、不妊原因の約半数は男性側の精子に何らかの問題があるケースで、しかも妊娠を難航させる精子異常には生まれつきの遺伝子の問題が関与しているからです。男性の性機能と精子異常は別の話ですので、妊娠しない原因が見えないまま性交を取っても時間ばかりが過ぎ去り、結果として妻の年齢が上がり、卵子の老化が進みます。女性は妊娠できる年齢が限定されていますので、男性が早い時点で精子精密検査を受けることが最も効率的(上手)な妊活法になります。
- 健康診断のオプションで受けた精液検査(WHO基準)で「正常」でした。これで男性側は問題クリアと考えてよいですか?
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いいえ、WHO基準の一般精液検査で「正常」と言われても安心はできません。ここに男性不妊の最大の盲点があります。WHO基準による一般精液検査は、普通の顕微鏡で精子の「数」や「動いている割合(運動率)」「大まかな形態」を観察している簡易的なものです。実際には、見た目が正常で元気に泳いでいて、まさに一般精液検査(WHO基準)で「正常」と判定される運動精子の中にも、隠れたところに異常が潜んでいる精子(隠れ異常精子という)が混在しており、しかもその背景には遺伝子異常が関与しています。この隠れ異常精子が治療に用いられても成果には繋がりにくく、また出生児へのリスクにもなる可能性がありますので、WHO基準で「正常」でも安心できません。是非とも隠れ精子異常を検知できる分子生物学的な手法による高精度精子検査を受けてください。「動きが良い=良好」という誤った認識で高度不妊治療に進むのは非常に危険です。
黒田メソッド:精子の間違った認識【隠れ異常精子について】
- 精子異常には、なぜ遺伝子異常が関与するんですか?
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その理由は、精子が造られるプロセスにあります。毎日 精巣内では「物凄い数」の精祖細胞という、精子を造る元の細胞が「たくさん」の精子を造り出しています。要するに「短期間に物凄い数の精子を造らなくてはならない」ので、精子形成過程は「質より量」の「粗製乱造」になっています。そのため、ランダムに製造ミス、学術的に言えば、DNAのコピーミスが起きてきます。DNAのコピーミスは、ヒトの2万個以上の遺伝子上に一定の確率で起き、DNAのコピーミスが起きることが遺伝子の突然変異を引き起こします。このDNAのコピーミスに伴う遺伝子の突然変異は『新生突然変異』と言われ、親から受け継いだ形でなく自然発生的(突発的)に起きてくる遺伝子異常です。この「粗製乱造」の精子形成を踏まえれば、遺伝子異常に起因して精子異常が起きてくることは、ある意味で仕方ないことです。