不妊治療のスケジュールが大変!うまく管理する方法を詳しく解説

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不妊治療のスケジュール管理って大変?

世間一般の不妊治療に対するイメージは、「何だか大変そう~」というイメージではないでしょうか?それでは、何が大変なのでしょうか?その一つに、不妊治療のスケジュール管理が難しい点にあります。

体外受精や顕微授精などの高度生殖補助医療といわれる不妊治療が開始されますと、受診する日数が多くなります。一般的な疾患の場合は、検査や診察のために受診しても、その翌日に再度受診しなければならないということは特別の場合を除いてありません。しかし不妊治療においては、連日にわたり受診することもありますし、身体の状態によっては予定外の受診を指示されることも少なくありません。予定外の受診日が、どうしても外せない仕事と重なった場合、何とか日程の調整をしようとして精神的なストレスが大きくなります。それでも仕事を持っている女性は、不妊治療と仕事を両立させるためにスケジュールを上手に調整して管理しなければなりません。ここに「不妊治療は大変~」と言われる理由の一つがあります。

不妊治療における国の制度体制は?

厚生労働省では「不妊治療と仕事との両立」に取り組む企業を認定する制度を設けて、不妊治療をする夫婦を支援する方向性に進めていますが、前述したように現実的な問題として、緻密なスケジュール管理をしていても予定外の受診が入ってきますので、多くの働く女性がスケジュールの調整に苦労して、不妊治療と仕事の両立の難しさに悩んでいるというのが実情です。

とは言え、事前に対策を立てておけば、その苦労は軽減します。具体的にお話しましょう。

まずは主治医からの治療に関する説明をしっかり聞いて、治療の流れを正確に把握してください。受診日数や治療期間などのスケジュール感を掴んでおくことが大前提です。その上で、可能な限り時間的にも精神的にも余裕をもって治療に取り組めるように、色々な環境整備をしておくことをお勧めします。

例えば・・・

・会社の不妊治療制度を上手に活用するためには「治療開始の何ヶ月前までに手続きをする必要があるのか」、会社制度の詳細情報を取得しておく

・職場の上司や周りの方々の理解と協力を得られるように、事前に十分な話し合いをしておく

・夫からの協力(食事準備・食器洗い物、洗濯・乾燥、掃除などの家事分担)を一層得られるように、事前に話し合いをして、可能な範囲で事前準備をしておく

など、試みておくことが大切です。

不妊治療の理想的なスケジュール管理とは?

理想的な「最も良い」スケジュール管理は、会社制度を最大限に活用して、治療周期だけでも休職できることです。つまり、治療期間だけでも仕事のストレスから解放されること、言い換えれば、不妊治療に集中できる環境を確保することです。

逆に「最も悪い」スケジュール管理は、仕事も不妊治療も中途半端になってしまうことです。職場の上司や同僚、部下を含めて周囲の方々に負担をかけることになり、結果として自身の精神状態が不安定になることです。そうなりますと治療に集中できなくなります。不妊治療を行うためには、どうしても周りの方の理解と協力が必要になりますので、良好な関係性を構築しておくことが大事です。

妊活を効率的に進めるためにも上手なスケジュール管理をして、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。これまでは 仕事をもつ女性の不妊治療におけるスケジュール管理の難しさと、その対策案などについて お話してきましたが、最後に現時点で仕事に縛られることのない女性にもメッセージを送りたいと思います。

会社からの縛りがない分、不妊治療に伴う時間的なスケジュール管理は整えやすいかもしれません。しかし一方で、治療中でも普段と同じ様に、家庭内の仕事を全力投球で頑張ってしまう女性も多いことでしょう。できれば少しペースダウンをして、ゆったりとした気持ちで治療に臨まれることをお勧めします。

まとめ

仕事を持つ女性にとって不妊治療と仕事との両立は簡単なことではありません。治療を開始する前に、治療内容や流れをしっかり把握して、スケジュール感を掴んでおくことが大前提です。また事前に自身で工夫できることがあるのならば、済ませておきましょう。そして、治療前に仕事場を含めた生活環境を整えて、時間的にも精神的にも余裕をもって不妊治療に臨めるようにしてください。そうすることが治療成果に繋がる一助になるかもしれません。

黒田IMRは「完全予約制」ですので、待ち時間が少なく、通院のスケジュール管理がしやすくなっています。また全ての部屋が「完全個室」になっていますので、血液検査(血中ホルモン値)の結果が出揃うまでの待ち時間(45分~60分)も、周囲の目を気にすることなくパソコン等による仕事をすることが可能です。仕事と不妊治療を共有できますので、ぜひ有効活用してください。

Author information

黒田インターナショナル メディカル リプロダクション院長。不妊治療で生まれてくる子ども達の健常性向上を目指して「高品質な精子の精製法および精製精子の機能評価法の標準化」と共に「次世代の不妊治療法」を提唱し、日々の診療と講演活動に力を注いでいる。

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