黒田IMRには、当院受診までに かなり長い不妊治療歴があるご夫婦がたくさん相談にみえます。治療をしても なかなか結果に繋がらない。時は流れ、歳は重なり、卵子の老化は進む。「どうしよう?」という気持ちの焦りと共に「心の負担」が増していきます。女性たちは、様々な心の問題を抱えて日々を過ごしています。メンタルの問題は「目に見えない痛み」です。それだけに心の深くまで忍び込んできます。
仕事をもつ女性は、治療との時間的な調整に追われます。不妊治療をするだけでも多くの負担がかかり大変な中、仕事も責任を持って処していかなくてはならない現実・・・治療が長引けば、何よりも心の負担が大きくなり、押しつぶされそうになるのは当然です。
一方で、仕事をもたない女性は、家事をこなす毎日。「ふとした瞬間、赤ちゃんのことばかり考えてしまいます・・・」「生んで育てるのが私の仕事だったのに・・・」と目に涙を浮かべます。
妊活において心の悩み、心の負担は必ず伴います。以下に、黒田IMR初診時の女性たちの「心の叫び」を紹介します。ぜひ読んでください。
目次
黒田IMR初診時の『女性たち』の叫び
不妊治療の先が「見えない」不安・表にでない「見えない」心の痛み
黒田のコメントも添えてまとめました
1.体育会系の健康体の方
学生時代、運動が大好きで、体育会で頑張っていました。とっても健康で、風邪もひきません。そんな私が、妊娠できない?なんて、全く考えていなかった。結婚して、そろそろ・・・と思って妊活すれば、授かると思っていた。
⇒ いままで病気もしない、鍛えてきた体、その「健康体」と妊娠できるかどうかは、相関しないことがあります。
また妻側に不妊原因がなかったとしても、妊娠は妻と夫の掛け算(妊娠=妻✕夫)ですから、夫側の精子に問題があれば妊娠できません。精子に異常がある男性不妊の治療は難航する傾向にあります。このことを視野に入れて、精子の質(精子機能)を正確に調べることができる精密検査(詳細は後述)をしていないのであれば、ぜひ実施する方向に気持ちを切り替えましょう。一般精液検査では見逃されているかもしれない精子異常を正確に検知できることにより、適正な治療指針が見えてきます。現状から脱却できるかもしれません。
2.人生において、成功が継続されてきた方
これまで、どんなに苦しいことでも、根性と努力で乗り切ってきました。頑張れば、何事も達成できると信じて、人生を積み上げてきました。でも不妊だけは、自身の努力が報われない。現実を受け止めることができません。
⇒ 人生、思うようにいかないこと、望むようにいかないこと、多々あります。しかし、これまで頑張ってきたことが自身のビジョンをクリアしてきた方にとっては、不妊治療は人生初めての挫折になることもあるでしょう。
なかなか難しいかもしれませんが、その時こそ「ここには何か意味がある!」と前向きに捉えていただきたいと思います。そして「なるようになる!」と気持ちを切り替えて、流れに身を任せることも大切です。
3.自責の念が強い方
夫をパパにしてあげたい。私の何がいけないの? どうして妊娠できないの?
食事や睡眠にも十分に気をつけて生活してきたのに。真面目に生きてきたのに。神様って意地悪ね。
⇒ そんなに頑張り過ぎないでください。妊娠して新しい命が誕生することは、たくさんの奇跡が重なった結果なのです。自身では「どうしよもない」ことです。
妊娠に向けて自身に目を向けるのではなく、信頼できる医師に任せきる勇気を持ってください。そして淡々と前進してまいりましょう。
4.疎外感・孤独感を感じられた方
- 周囲で出産する友達も増えていく。なぜ、私だけが・・・子どもがいる友達とも疎遠に。どこかで置いてきぼりにされている「孤立感」に潰されそうです。
- 夫が協力的でなくて・・・
私一人で不妊治療と戦ってきました。夫との関係も悪くなりました。こんな心の痛みを誰にも言えないし、本当に孤独です。
- 子どもが居る場所(公園、日曜日の飲食店、デパートの子供コーナー・・・)を避けて生活をするようになっていました。親戚の出産にも心からお祝いできない私がいます。そんな「孤立する」私がいます。悲しいです。
⇒ なかなか難しいかもしれませんが、「他人は他人、私は私!」「孤独だって いいわ!」と覚悟を決めて、「無心」になることです。感情や煩悩から解放されて悟りの気持ちになった時に、もしかしたら運気が巡ってくるかもしれません。
また夫との話し合いができない場合には、黒田IMRの院長カウンセリングの場を活用していただくようにお勧めしています(詳細は後述)。
5.夫の言動に心痛めたられた方
- 「精子の状態が悪い!」と言われたのに、「1匹元気な精子がいれば、妊娠させられるんだから、1匹位 いるだろう?」と。全く治療に前向きに協力してくれない夫に愛情がなくなりました。それなのに、その夫の子どもをつくろうとしている私は、何をしているんだろう?
- 「精子の状態が悪い!」と言われたのに、「前妻との間には子ともができたんだから、僕の精子が悪いわけがない!」と言い切る夫の心無い言葉に失望しました。それでも、子どもが欲しいんです。
- 夫の両親からのプレッシャーが・・・「精子の状態が悪い!」と言われたのに、夫は「親には言いたくない!」と。だから、私ばかりが責められる。理不尽ですよね。辛すぎます。
⇒ このような場合には、黒田IMRの院長カウンセリングの場を活用していただくようにお勧めしています(詳細は後述)。カウンセリングを通して、精子精密検査の重要性を理解していただいております。
ご夫婦揃ってのみならず、夫だけのカウンセリングも大切にしています。信頼関係を構築して「心の扉」を開いていただかないと良い方向には展開しません。また夫の精子検査への協力なくしては、治療の成功はありません。
6.長年の治療で年齢的な焦りを感じられた方
いつまで続くのだろう? 終わりのない不妊治療、先が見えない「不安感」、苦しいです。でも私の歳を考えたら、もう時間がない。生理周期や基礎体温の乱れや、体力の低下、いろいろな場面で「老化」を感じて「妊活も、そろそろ?」という気持ちになることあります。でも ずっと頑張ってきたのだから、今 止めるわけにはいきません。
⇒ このような場合は、辛すぎる現実ですが、治療が長引けば それだけ妻の年齢は重なり、高齢化するという「二重苦」になります。黒田IMRでは、精子側のみならず卵子側の品質を強化すべき技術努力を徹底し(詳細は後述)、子宮内環境も良好に保つ条件を確立した上で1回1回の治療の充実性を高めています。まさに「時は金なり」です。治療の回数をこなすのではなく、1回の治療の精度を上げることが大切です。
一方で、患者様の中には、「何処に行っても、同じ様な治療の繰り返し・・・」「結果にならないし、その原因の説明もないし、対策もないし・・・」。そのうちに「焦る気持ちもなくなり、メンタルボロボロの時期は過ぎました・・・」と淡々と話される女性もおられます。何とも心痛むことです。
妊活中にメンタルを保つためにできること
妊活においてメンタルストレスは避けて通ることはできません。とくに不妊治療において、夫婦それぞれの、いや夫婦間の「心の問題に対して どう向き合うか」が、その後の治療においても私生活においても円滑に進めることが「できるか、できないか」の分かれ道になります。一人で悩むことは止めましょう。夫の気持ちを妻に、妻の気持ちを夫に「丁寧に」「正直に」伝える「努力」をしましょう。
以下に、妊活中のメンタルを安定化させるために「心がけるポイント」をまとめました。ぜひ男性にも読んでいただきたいです。
1.夫自身の「精子に対する自覚」と、夫からの「妊活への協力」が大切です。その姿勢が妻に伝わります。
女性の妊孕性は「年齢」に直結します。解りやすく言えば、妊娠しにくい基礎疾患がある場合など、特別なケースを除き、若ければ若いほど卵子の質が良好で、妊娠できる可能性、子どもを産める可能性、母になれる可能性が高くなるということです。女性にとっては「時間」がとても大切になりますので、妊活を始めたら「いかに効率よく上手に妊活を進めていくか」が重要です。そのためにも、男性たちが、妊活に対して正しく理解して、妻との協力体制への意識を向上させることが必要となります。
一方で、男性の妊孕性は どうなのでしょうか?
世間一般では、精子に関しても卵子と同じように、加齢に伴い質が低下すると語られていますが、実は、そうではありません。精子の「質の良し悪し」を決めている主たる要因は、先天性(生まれつき)の「遺伝子の問題」なのです。つまり、生まれながらにして「妊孕性の高い精子なのか、低い精子なのか」が決められているということです。解りやすく言えば、若い男性でも妊孕性が低い精子の方もいらっしゃるということです。ここに女性(卵子)との大きな違いがあります。
しかも、一般精液検査では、この遺伝子異常が関与している精子異常を検知することができません。見逃されたまま治療が繰り返されていても、時間ばかりが過ぎ去り、成果には繋がりません。前述していますが・・・妊娠は妻と夫の掛け算(妊娠=妻✕夫)ですから、いくら妻の治療が上手くいっても夫の精子に異常があるままでは妊娠できません。
このリスクを認識いただき、見逃されている可能性が高い精子異常を正確に検知できる精密検査(詳細は後述)を積極的に受けてください。そして、適正な治療指針を明確化させて、一日も早く成果に繋げましょう。
コラム:男性不妊症の原因と検査について詳しく解説
2.妻の「心の不安と痛み」に寄り添う、夫の気持ちが大切です。
お互いに「支え合って、やるべきことをやる!」、お互いに「感謝し合う」、お互いに「尊重し合う」ことが、夫婦仲良く治療できることに繋がります。夫婦仲良く不妊治療できることが、何よりもメンタルを安定させます。
とくに日本の男性は、すこし照れてしまうかもしれませんが・・・
「頑張ってくれて、ありがとう」「お疲れ様」「感謝しているよ」といった、妻への「ねぎらい」の言葉、声掛けも大切です。言葉に出さなければ、伝わりません。でも言葉に出せば、伝わります。男性方も頑張ってください。
3.信頼できる医師のもとで治療できることが、メンタルを安定させます。
なかなか難しいですが、ご夫婦に合った医師に出会えること、安心して治療を任せきれること、とても大切です。結果として夫婦のメンタルが安定します。
医師も人間ですから、話し方や雰囲気に相性があるかと思いますが、ご夫婦が「納得できるように、質問に丁寧に答えてくれるか」、そこに医師の「寄り添ってくれる温かさ」や「高い専門性」が伝わってくるか・・・とても大事なことです。
4.ご夫婦で共通の趣味があったら、治療の合間に一緒に出かけましょう。ストレス発散になり、メンタルが安定します。
たまには、自身たちへのご褒美!も大切です。少し贅沢な食事や旅行、ゴルフ・・・生活を楽しむことも大事です。気持ちをリセットできますので、メンタルが安定します。
心の悩みを どこで話せるの?
妊活において心の悩み、心の負担は必ず伴います。一人で抱えないことです。繰り返しになりますが、ご夫婦それぞれの気持ちを「丁寧に」「正直に」伝える「努力」をしてください。それでも、お互いに直接伝えることが難しいと思ったら、医療機関内の医療従事者(第三者)を交えたカウンセリングの場を上手に活用することをお勧めします。
黒田IMRでは、院長の私が直接「ご夫婦」「夫だけ」「妻だけ」とのカウンセリングの機会を積極的に設けています。一般的には、カウンセリングといっても短い時間内での相談になりますが、黒田IMRでは1時間ほどかけて しっかり「心の問題に向き合う」ことを大切にしています。1回(約1時間)のカウンセリングでは解決できない場合には、何回か話し合いの場を設けています。約40年 生殖医療を専門にしてきた医師としての経験をもって、ご夫婦と一緒に悩み、心の痛みに寄り添うことによって、色々な『解決法』を見出します。その背景には、院長の長年の研究者としての目線が盛り込まれますので、高度な技術、豊富な知識と経験を踏まえた『学術的な解説』も含まれます。
また黒田IMRに特化した男性不妊の検査と治療技術が、精子の異常のタイプを「正確に」見極めて、その精子のタイプに「最適な」技術を選択することを可能にしています。この個別化した適正な治療条件を確立できることが、治療の安全性と有効性の向上に繋がります。ここに『黒田IMRの真価』があります。
治療が長引かれて苦労されているご夫婦は、先が見えない不妊治療から一日でも早く脱却できることを目指して、ぜひ一度カウンセリングにいらしてみてください。一層適正な方向性を導くことができ、現状から脱却できるかもしれません。
まとめ
黒田IMRは「丁寧な個別対応」をしている専門性の高い男性不妊治療施設です。院長のこだわりが、「カウンセリング」「精子側の関連技術をはじめとする特殊技術」「究極の個別治療」に発揮されています。
不妊治療は辛いことが多いですが、「不妊治療の経験があるからこそ」と思っていただけるように、また治療を通して得られたことを「プラス」にできるように、院長 黒田は日々精進しています。ご心配な方は一度ご相談にいらしてください。