院長、黒田優佳子が東大との共同研究の英語論文を出版。

東大との共同研究の英語論文発表

当院院長の黒田優佳子が、東京大学定量生命科学研究所との共同研究の成果をまとめた英語論文が、国際学術誌「Genes」(MDPI発行)に掲載されました。

■ 論文タイトル

DNA Fragmentation Analysis in Human Sperm — Technical Instructions to Prevent False Positives and Negatives in Angle-Modulated Two-Dimensional Single-Cell Pulsed-Field Gel Electrophoresis (ヒト精子におけるDNA断片化解析 ― 角度変調型二次元単一細胞パルスフィールドゲル電気泳動の偽陽性・偽陰性を防ぐための技術的手順)

■ 著者

Satoru Kaneko(兼子智)、Yukako Kuroda(黒田優佳子)、Yuki Okada(岡田由紀)

■ 掲載誌

Genes 2026, 17, 319(MDPI)

■ 研究の概要

不妊治療、とくに顕微授精(ICSI)において、精子のDNA損傷は受精率や胚発生、さらには次世代の先天異常にも影響を及ぼす重要な因子です。しかし、従来の検査法(コメットアッセイ、SCSA、SCD、TUNELなど)には技術的な限界があり、DNA断片化の初期兆候を正確に捉えることが困難でした。 本研究グループは、精子一個一個のDNA断片化をより高感度に検出するため、「角度変調型二次元単一細胞パルスフィールドゲル電気泳動(2D-SCPFGE)」という独自の技術を開発しました。 本論文では、この技術を用いた解析において偽陽性(実際には損傷がないのに損傷ありと判定してしまうこと)や偽陰性(損傷があるのに見逃してしまうこと)を防ぐための詳細な技術的手順を解説しています。

主なポイントは以下のとおりです。
・活性酸素種(ROS)による人為的なDNA切断を防止する抗酸化システムの構築
・ゲル内での核膨潤とタンパク質分解を同時に行う手法の最適化
・凍結保存による氷晶がDNAに与える物理的損傷の発見と、低温液体保存法の開発
・テロメア領域の標識による新しいDNA断片化検出法の提案

当院では、精子の品質を多角的に評価するための検査体制を整え、患者様一人ひとりに最適な治療をご提供できるよう研究を続けてまいります。

論文の全文は以下よりご覧いただけます。

genes-17-00319

Author information

黒田インターナショナル メディカル リプロダクション院長。不妊治療で生まれてくる子ども達の健常性向上を目指して「高品質な精子の精製法および精製精子の機能評価法の標準化」と共に「次世代の不妊治療法」を提唱し、日々の診療と講演活動に力を注いでいる。

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